その体験はもう随分前のことになります。
当時、私は特急電車の中で車内販売の仕事をしていました。
春になると電車は美しい桃の花畑の中を走ります。
初めて出会うその風景に、私の心はひきつけられていました。
その日の仕事を終え、家に帰ってからもその風景を思い出していました。
すると、突然、私の目には涙が溢れ出しました。
本当に突然の涙に、自分でも驚き、
『あれ?私なんで泣いているんだろう…?』
そう思った瞬間に答えがわかったのです。
『私は私のままでいいんだ…』
桃の木はただそこにあるだけだ…。
歌ったり、踊ったりするわけでもない。
…何もしない…
ただそこにあるだけなのに美しい。
桃の木は何もしてないのに、私の心はこんなに動かされている。
…私も同じなんだ…
私も本当は桃の木と同じなんだ…!!
涙があとからあとから溢れました。
あの時、私のものすごく深い部分…
魂が打ち震えていたんだと思います。
桃の木からのメッセージは、私の魂からのメッセージだったのです。
私は今まで何をやっていたんだろう…。
思えば、私は自分の事があまり好きではなかったのだと思います。
幼い頃から内気で、人の輪の中に入る事が苦手だった私は、
いつもありのままの自分を見失い、無理をして生きてきたのだと思います。
私の心が、自分を癒す…ヒーリング…という方向に向き始めたのは、
この桃の木との出会いがきっかけになったのだと思います。
今でも、落ち込んだ時や心が傷ついた時、
いつも、この桃の木からのメッセージを思い出し、生きる勇気をもらっています。